建築CPD情報提供制度(建築CPD運営会議)

広島県では、現在2つの継続能力開発制度を実施しています。
全国の建築士会と日本建築士会連合会が実施する「CPD制度」と、 この「建築CPD情報提供制度」です。

建築業界には様々な関連団体がありますが、それぞれ独自のCPD制度を作って取り組んでいます。全国でこれを一本化することによって効率良く活用しよう考えられたのが、「建築CPD情報提供制度」です。

地方公共団体等からも「一本化したデータベース」の提供があれば、公共事業の発注に伴う「入札参加資格審査(経営審査)」の際に、CPDに参加している建築士を有する企業についてはそのCPD実績を「評価する」ということになりました。そこで誕生したのが建築関連団体で組織する「建築CPD情報提供制度」です。

特に広島県では、建築士会を中心とした関連団体の働きかけにより全国に先駆けて、建築CPD情報提供制度における認定時間が主観的審査項目となりました。(平成18年9月29日発行 広島県報)

ただ、まだまだ各関連団体の足並みが揃っておらず、煩雑な運営となっているのが現状ですが、徐々に統一の方向に向かっており、また、実際にこの制度に参加する建築士も増えています。

建築士会のCPDとの違い

  建築士会 情報提供制度
実施主体 日本建築士会連合会及び全国建築士会 建築CPD運営会議
(事務局:(公財)建築技術教育普及センター
対象 建築士会CPD参加者 構成団体CPD参加者
(建築士・設備士資格者・建築施工管理技士)
目的 継続的な自己研鑽
専攻建築士の申請要件
入札資格審査時の加点
プログラム認定 研修、認定教材 など 基本的に建築に関する能力を高める研修のみを正味時間で認定
研修参加時 士会主催の場合は何もしなくてよい。他団体主催の場合は、建築士番号とカナ氏名を専用用紙に記入する場合もあるので注意する。 士会主催の場合は何もしなくてよい。他団体主催の場合は、建築士番号とカナ氏名を専用用紙に記入する場合もあるので注意する。
行政機関へ
提出の実績証明書
建設系CPD協議会加盟団体 建築CPD運営会議

建築CPD情報提供制度とは

  • 建築士等の研修としてふさわしい講習会等をあらかじめ認定し、その情報を公開する。
  • 建築CPD情報提供制度参加登録者が認定された講習会等に出席した記録を統合的に管理し、必要に応じて、その実績を証明する。
  • 既存の各団体のデータの活用を前提とした制度である。
  • 運営は、建築CPD運営会議が行う。
  • 建築CPD運営会議は、国土交通省の指導のもと、下記の団体で構成される。
    (公社)日本建築士会連合会、(一社)日本建築士事務所協会連合会、(公社)日本建築家協会、(一社)建築業協会、(一社)日本建築学会、建築設備士関係団体CPD協議会 (※)
    (一社)日本建築構造技術者協会、(一財)建設業振興基金、(公財)建築技術教育普及センター
    ※建築設備士関係団体CPD協議会参加団体
    (公社)空気調和・衛生工学会、(一社)建築設備技術者協会、(一社)電気設備学会、
    (一社)日本設備設計事務所協会、(公財)建築技術教育普及センター
  • 事務局は(公財)建築技術教育普及センターが行う。

建築CPD情報提供制度への参加方法等

(1)参加登録

広島県建築士会会員は、CPD参加申込時点で、「建築CPD情報提供制度」にも同時に参加かするか否かを問う。

(2)認定プログラム

「建築CPD情報提供制度」で認定されたプログラム(研修)は、CPD情報システム「認定プログラム一覧」(https://jaeic-cpd.jp/cpd_prg_list.php)に掲載。

※概ね、「建築CPD情報提供制度」で認定されるものは建築士としての資質を向上させる研修や見学会のみである。資格付与に関するものは認められない。建築士会のCPD制度では認定教材、定期講習も認定するが、「建築CPD情報提供制度」では対象外である。

(3)認定プログラム出席記録の蓄積

認定された研修に出席した場合は、研修後に建築士番号とカナ氏名を、建築士会より(財)建築技術教育普及センターに連絡する。

※建築士会以外の主催の場合は、受付に「建築CPD情報提供制度」用の出席者記入の用紙を準備している。それに建築士番号とカナ氏名を記入しなければ、「建築CPD情報提供制度」認定プログラムに出席したことにならないので注意のこと。

(4)CPD記録の活用(地方公共団体向け実績証明書発行)

建築士会ではなく、「建築CPD情報提供制度」の事務局である(公財)建築技術教育普及センターに申請する。

◎問い合せ先:(公財)建築技術教育普及センター TEL:03-5524-3105

建設会社等は、「建築CPD運営会議」へ所属建築士等の実績証明書発行を申請する。発行手数料は、証明対象者1名につき500円。申請した建設会社等に、建築CPD運営会議より実績証明書を発行。

建設会社等は、受領した実績証明書を地方公共団体の入札参加資格審査等に提出。